9倍株の見つけ方(投資実験報告2019 その4)
■9倍株も生まれた
テン バガーには至っていないのだが9倍株についても触れておきたい。累積リターンが+800%超の会社である。もう少しで10倍株だと考えてしまいがちだが株価の動きは予測がつかない。捕らぬ狸は皮算用しない。ただ9倍株もなかなかのものだと思う。取得後10年の銘柄である。
■実験ファンドを牽引してくれた会社:マニー株式会社(保有期間 10年)
2019年に大きく株価を上げて実験ファンドを牽引してくれた会社の名はマニーである。
以前、日経ビジネスの記事で元気な地方企業という扱いで紹介されていた。経済誌を読む意味はこういうところにある。
高い世界シェア。栃木に本社を構える。世界一にこだわる製品開発。高い技術力。会社四季報を読んでさらに興味を惹かれ、有価証券報告書をダウンロードした。
有報を眺めてみればなるほど利益率が高い。財政状態も良い。
◾️2007年8月期の有価証券報告書(冒頭部分):マニー(株)
ROE、自己資本比率、流動比率、資産の中身、損益計算の内容、キャッシュ・フローの状況、経営者の持株状況、セグメント情報、会計監査人と監査意見等など。
これは良い会社である可能性が高いと最後に株価を調べた。高かった。
焦って買ったところで良いことはないので、この時は注目の会社として心に留めておくことにした。買い時を待った。
数年後、株価が安くなっていることを知った。2009年の冬のことだった。2009年12月から2011年3月にかけて、何度かに分けて買った。
取得した当時の時価総額は360億円程度。いわゆる小型株である。
その後しばらくの間、目立った値動きはなかった。
急騰したのは2018年と2019年である。
■まとめ
この会社を取得しよう、保有し続けようと思わせてくれた要因を挙げれば次のとおりである。
- 評価高くユニークな製品を供給し続けている。
- 高い市場占有率。
- 高い技術力。
- 高い利益率。
- 健全な財政状態。
9倍株となった要因として重要だったと思えたのは次のとおり。
- 小型株だったこと(時価総額の小規模な会社でなければ大幅な値上がりを期待するのは難しい)。
- 安く買うこと。焦って買わないこと。
- 待ち続けたこと。(※追記)
■付記
ちなみに2019年末現在、株価は個人的に試算している理論値に比べて100%以上高い。市場の人気・注目度が高い状況になっているのだなと考えている。
■おわりに
「テンバガー(ten-bagger)」とは、ピーターリンチがその著書のなかで書いていて、いつかは自分もこういう株を所有したいものだと思っていた。気がついたらそこそこ叶っていた。時間さえかければ可能なのだ。
なお、テンバガーとは10塁打の意。野球用語なのだ。テンバーガーではない。