- 米国の中央銀行の中枢、連邦準備制度理事会 (FRB: Federal Reserve Board) による、ドラスティックな利上げの連続に、市場はドン引きである。
- インフレ退治のための利上げなのだという。
- このところの物価高は、要するに、原油高に起因するコストプッシュ型の物価高であり、ディマンドプル型のインフレでないのだから、需要低減を促す利上げは、とんちんかんにもほどがある愚かな行為という以外にない。
- しかし、FRBは馬鹿ではない(むしろ狡猾で誰よりも邪悪)。つまり、FRBの意図はインフレ退治などではない。
- ロシア、中国だけでなく、サウジアラビアまで向こうに回した米国。
- 決済に米ドル以外の通貨が用いられる原油取引の増加が根っこにある。
- 米ドルの原油取引決済通貨としての地位の低下。米ドル需要の減少。
- ペトロダラーシステムに亀裂が入った。あるいはすでに大穴が空いているのかもしれない。ということは、米ドルはすでに基軸通貨ではない。
- 放っておけば米ドル安が始まり、止まらなくなる可能性が低くない。
- 米ドル通貨発行権がすべてのFRBとしては、これを何としても止めたい。価値を大幅に毀損している(しつつある)米ドルの市場価格を支えなければならない。
- そのためには、世界にあふれている米ドルを回収しなければならない。米ドル供給量が需要量を超えれば、超えていることに気付かれれば、米ドルは売り浴びせられてしまう。
- その意図を持って行われているのが、いま米国で執拗に続けられている利上げなのではないか。
- FRBの真意は、米ドル通貨の需給均衡を目した発行量調整であり、インフレ退治はただの口実に過ぎない。
- 上記の推測が正しければ、FRBが必要と考えるドル紙幣回収量に達するまで、利上げは継続される。物価の動きがどうなろうがそれは本質的に無関係なのだ。
- むしろ、意図的に物価高を演出するくらいのことは平気でやると思われる。物価高の理由をすべてロシアのせいにできると考えているのであれば、尚のことである。