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投資家とギャンブラーのWin-Winの関係のこと

  • 同じ資産であっても誰が保有するかによってその価値は異なる。
  • 長期間投資し続けることが可能でその意思を持つ者の目から見れば、数十年先に予想される利益を現在価値に反映させてその資産の持つ価値を評価できる。
  • 投資可能な期間が短く、数ヵ月間、数週間後には売却処分することを想定している者にとってみれば、数十年先に見込まれる利益は意味を持たない。保有期間を数時間と考えるギャンブラー(デイトレーダー等)にしてみれば、会社が稼ぎ出す利益、キャッシュフローなどそもそも興味の対象ですらない。
  • 立場が異なれば同一資産であってもその価値は異なるからこそ、市場取引が成り立つ。
  • 投資家、投機家、ギャンブラーの間でのWin-Winの関係が成り立っているからこそ成り立つ取引といえる。よくできた仕組みである。
  • 短期売買は市場評価を歪めるとしばしば批判されたりもするが、こう考えれば投機家もギャンブラーも重要な市場プレイヤーであることに違いはない。
  • とはいえ、抱えるリスクには差異がある。保有期間が短いほど、一般的に言って不確実性(リスク)は高まる。リスクを極力抑えたいというのなら、長期投資の方針が得策である。

のれんの膨張と利益の歪みについて

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  • 近年、のれん残高が身の丈に比して巨額に過ぎるように見受けられる会社が増えた。自己資本を超える規模ののれんを抱える会社が珍しくない状況になっている。
  • のれんの規則償却が禁止されているIFRS国際財務報告基準)の影響が大きい。
  • IFRSは米国基準に沿う形でのれんの償却を禁止することにしたわけだが、米国基準でも2001年(同年公表の公開草案)まではのれんの規則償却が求められていたのだ。のれんの償却が禁じられたのはふるい話ではない。
  • のれんを償却しないという処理は会計理論的にも説明がつかない。結果的に自己創設のれんの計上を認めることになるからだ。会計の基本ルールを逸脱したルールが大手を振ってまかり通っている近年の状況こそ、後年、興味深い研究対象になり得ると思われる。
  • ここから、IASB(IFRS)やFASB(米国)といった会計基準設定主体は会計の専門家集団などではなくあくまでも政治的な色彩の濃い存在なのだということがわかる。さらにいえば投資家利益の保護などというお題目は建前に過ぎないのだということも見えてくる。
  • IFRSや米国基準を適用する会社の利益は、のれん償却費負担の回避でかさ上げされる結果となる。このように決算数値の歪みが顕著になってきているのが昨今の企業情報開示体制である。利益が減らないのだから巨額ののれんの計上に怖れを抱かない経営者が増えているように思える点、いち投資家として恐怖感を覚える(最近では武田薬品工業のCEOウェバー氏の顔が思い浮かぶ。武田薬品は同氏のCEO就任直前にIFRS適用を決めている。こわい)。
  • ところで、日本基準はのれんの規則償却を強制している。この点、日本の会計基準設定主体(ASBJ)は骨がある。日本人として誇って良い。

 

バークシャー ハサウェイ社の株主総会のこと

先日、バークシャー ハサウェイ社の株主総会をリアルタイムで視聴した。Yahoo financeが専用サイトを用意してくれているのだ。凄い時代である。
さて、総会の様子はさながらコンサートか何かのようだった。バークシャー株主総会キャピタリストのためのウッドストックだとバフェット氏自身が語っていた(と記憶している)がまさしくその通りである。
株主が質問するためのブース(ステーションと呼ばれていた)が会場内にいくつも設けられ、会長のバフェット氏が "OK, next, station three!" という風に進行させていた。
バフェット氏は世界恐慌の翌年、1930年の生まれ。御年87歳。いってみればおじいちゃんである。それにしてもこんなにかっこいいおじいちゃんはちょっといないなと見とれてしまった。塩田剛三と同じくらいかっこいいぞと思いました。

既にYoutubeにもUpされている。
"2018 Berkshire Hathaway Annual Shareholders Meeting"

(ご参考)※私がかっこいいと思うもうひとりのおじいちゃん。

"塩田剛三 vs ロバートケネディボディガード" という有名な動画

 

アップルの自社株買いについて

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アップルがIR情報として、自社株買い10.9兆円相当の計画を発表した。
「新たに1,000億ドルの自社株買いについて取締役会承認が得られた旨報告できることを幸せに思います」(2018.5.2)と公表したわけだが、その額で何株買い戻す計画なのかがよくわからない。それが知りたくてあちらこちらを探したのだがどこにも見つけられずにいる(明らかにされていないようにも見える)。
こちらが知りたいのは一株当たりいくらで買い戻すことを妥当と考えているかという経営陣の判断なのに。
ただの株価対策なのだろうか(増配+16%を同時に公表、株価はその日のうちに4%上昇した)。
ちょっとがっかりである。今の利益水準と財政状態を見るに、取り合立てて割安とも思えない。安くもない株価で自社株買いを行っても会社の価値を高めることにはならない。高値掴みの自社株買いとなってしまえば会社の価値を損なう。
新聞記事を見て一瞬おやと思ったのだが、アップル株を買う機会到来ではなさそうだ。

 

ビットコインはバブルか

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【結論からいえば】

  • ビットコインをはじめとした仮想通貨への「投資」はあり得ない。ビットコイン投機あるいはビットコインギャンブルと呼ぶのが正しい。
  • ビットコインはバブルのなかにある。遠からず弾ける。どうせ弾けるのなら今日にでも弾けてもらった方が被害は少ない分、マシである。

【検討】

  • ビットコイン(及び類似する仮想通貨)そのものは価値を生まない。現状のビットコインで信頼できる機能は価値移転機能のみ。価値保全機能は信頼に足りない。
  • ただ、いずれは価値保全機能も果たしうる存在になるだろう。むしろ、インフレが事前に抑制されている分、既存通貨以上の価値保全機能を発揮していくことになるかもしれない。値動きはゴールドに近いものとなっていく可能性もある。
  • ビットコインの価値は現状、正確には測定できない。将来性はたしかにある。投機対象としてはたしかに面白いものといえる。
  • ビットコインの価値を見直す動きはある。既存の通貨に等しいかそれ以上の機能を果たしうる通貨と認識されたということであれば、価値の上昇も分からないでもない。
  • ただ、ビットコインその他の仮想通貨に群がる人々の様相は、過去くり返し生じてきたバブルに付随した事象そのものである。
  • バブルは遠からず弾ける。しかしブロックチェーンは生き続け、中央銀行の力は削がれてゆく。ブロックチェーンはアンチ中央銀行の思想のもとに設計された画期的なテクノロジーである。
  • 仮想通貨を間接的に保有しているからと株価が高騰している会社がある。仮想通貨へ投資するというファンドも急増している。仮想通貨バブルが破裂すれば実体経済への波及は避けられない。
  • とはいえ、ビットコインへ多額を投じている銀行も企業体も現時点では多くないようなので、ビットコインバブル(仮想通貨バブル)破裂によるネガティブな波及効果は限定的なものとなるだろう。どうせ弾けるのなら、こういう状態のときに弾けてもらった方がましである。

投資に勝つ人・負けて退場する人の決定的な違いについて

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  • 株価指数連動型投資信託に投資するとしたらどの指数(インデックス)を選ぶべきだったのか?2001年末からの16年間を考えると、日経平均複利ベースで年率+6.2%, TOPIXは年率+4.9%のリターンをもたらした。東証一部上場約三千社よりも日経平均225社の方が優れていた。
  • この16年で元本はどれくらい殖えたのかといえば、日経平均に賭けた場合は2.6倍、TOPIXに賭けた場合は2.1倍となった(ただしこれらの数値は売買コストの影響を除外した場合のものである)。
  • 決算書を読み込んで投資先を選別し続けた実験ファンドの場合、この16年間の運用成績は複利ベースで年率+7.7%となった。元本は3.3倍に殖えた(尚、こちらは売買コスト・税金費用を反映して後の数値である)。
  • 決算書を読み込む行為はお金を大いに殖やす行為といって良さそうである。
  • 市場に居続けるのであれば、損する方が難しいといえる。
  • 投資を行った人の大多数は損失を蒙って退場しているという事実があるわけだが、その決定的な要因は「待てなかった」という一事にある。

ビットコイン考:理解できていないものはすべて危険

  • 誰もが儲けられるといい、騒がれているものがある。たとえばビットコインである。
  • 儲かるかどうかは人次第である。ビットコインの本質について理解できているのならば儲けられる可能性は高い。というか損する可能性を抑えられる。本質をつかんでいる人であれば、高いのか安いのか、これからどうなるかの判断がある程度可能だからだ。ただし不確実性はゼロにはならないので、絶対ということはあり得ない。
  • 理解しているとはいえないが、皆が儲かるからといい、自分と同様に無知な友人も実際儲けているからといい、だからビットコインを買った、という人は損失を蒙る可能性がとても高い。買うべきときについても売るべきときについても判断が付かないからだ。
  • 絶対に儲かる、という人は単に無知か単に嘘つきなだけだからまともに相手をしてはならない。無知な人や嘘つきな人と付き合っていては儲けることなどできない。