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投資ラジオ(楽しい投資Podcast)「呂氏春秋が今に伝える人物の見極めかた」

楽しい投資研究所の、投資ラジオ(楽しい投資Podcast)を配信しました。今回のテーマは、「呂氏春秋が今に伝える人物の見極めかた」です。

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2本、あります。

1)経営者を見抜く法(呂氏春秋が今に伝える人物の見極めかた・その1)

・会社の価値は、経営者が誰かによって9割がた決まるといわれる。投資する側としては、経営者の人物を見極めることがとても大切な仕事となる。
・「呂覧」(呂氏春秋)という古代中国の文献がある。秦の始皇帝の時代、秦国の宰相を務めた呂不韋が、多くの学者に編纂させた百科事典的なものである。現代の百科事典とは多少、趣が異なっていて、そのなかには、人物の見極めかたとして、八観六験(はちかん りくけん)という手法が記されている。

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2)米ファイザー事例研究(呂氏春秋が今に伝える人物の見極めかた・その2)

・人物の見極めかたとして、呂氏春秋にはこうある。聴かば則ち其の行うところを観よ(聴則観其所行)。見解や意見を聴いたときには、その人が実際にどのような行動をとるかを観るのが良い。
武漢肺炎ウイルスに対するワクチンとして、米ファイザー社の開発したワクチンが有効らしい、という評価結果が公表されたのは、2020年11月のことである。当然のように、同社の株価は上昇した。
そのとき、ファイザー社の経営陣は、どのような行動をとったか?ファイザーCEO・ブーラ氏は、自身が保有するファイザー株式の大半を売却したのだ。

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呂氏春秋が今に伝える人物の見極めかた その2:米ファイザー事例研究

1toushi.hatenablog.jp

人物の見極めかたとして、呂氏春秋にはこうある。

聴かば則ち其の行うところを観よ(聴則観其所行)。[季春紀/論人]

見解や意見を聴いたときには、その人が実際にどのような行動をとるかを観るべし、といったところか。

武漢肺炎ウイルスに対するワクチンとして、米ファイザー社の開発したワクチンが有効らしい、という評価結果が公表されたのは、2020年11月のことである。当然のように、同社の株価は上昇した。

そのとき、ファイザー社の経営陣は、どのような行動をとったか。ファイザー社のCEO・A.ブーラ氏は、自身が保有するファイザー株式の大半を売ったのだ。また、副社長のひとりも、同じ日に同じく、持株の大半を売却処分とした。

ファイザーCEOらも保有株売却、ワクチン期待で製薬株が急伸(2020.11.12 ブルームバーグ
ーー米製薬大手ファイザーアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は、保有する自社株の売却で約560万ドル(約5億9000万円)を手にしたーー

www.bloomberg.co.jp

このワクチンは、同社の扱う製品として、これ以上ないほどの市場規模を持つ。全人類が潜在的なユーザーであり、国家買い取りであり、しかも複数回の接種が行われるのだから。

同社にとって、これ以上ないほどのビジネス チャンスであるはずなのだが、ファイザー社トップの行為をみれば、彼自身、そのようには考えていなかったらしいと読める。あたかも、その日が、保有株を売り抜ける最大の好機とでもとらえていたかのようだ。

まるで、新ワクチンのリリースが、自社の企業価値を大幅に損なう発端になるとでも思っていたかのようにも見える。これはうがった見方だろうか。

これは、大きなニュースと私には思えたのだが、日本のメディアが大きく報じることはなかった。

もし、ファイザー社の開発したワクチンが、人類を救うようなすばらしいものであるのならば、今後、同社のさらなる成長が見込めるし、株価のいっそうの上昇も期待できるはずである。ところが、当の経営トップは、真逆の行動をとった。これをどうとらえるかは、私たち投資家個々人の判断するところではある(ちなみに2021.9.3現在、ファイザー社の株価はさらに上昇している)。

当時、ファイザー社のCEOは、CNBC記者からの、「あなたはいつワクチンを接種するのか」との問いに対して、言葉をにごし、明言を避けた。

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※質問への回答を重ねてうながされたファイザーCEO(右)と、記者(左)の、気まずくも緊張感ただよう間。動画はこちら

「いつでも打てるが、私は健康であるし、待ち望む人々の列に割り込むようなまねはしたくない」というのがその理由だそうだ。

しかし、ワクチンの安全性に対する懸念が世界中で高まっているそのようなときにこそ、本当に自社のワクチンが自信を持って供給できるものであるのならば、自ら率先して接種して見せても良いはずと私は考えるのだが。

ファイザーCEOの言葉を額面通りにとらえては、経済的にも健康面でも、痛い目を見る危険性があるように思えたのは、私だけだろうか。

これら一連の行動を見ていえるのはふたつ。私がファイザー社の株を買うことは当分ないだろうし、ファイザー社製のワクチンを積極的に接種したいと思うこともないだろうということである。

経営者を見抜く法(呂氏春秋が今に伝える人物の見極めかた)その1

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会社の価値は、経営者が誰かによって9割がた決まるといわれる。投資する側としては、経営者の人物を見極めることがとても大切な仕事となる。

「呂覧」(呂氏春秋)という古代中国の文献がある。秦の始皇帝の時代、秦国の宰相を務めた呂不韋が、多くの学者に編纂させた百科事典的なものである。現代の百科事典とは多少、趣が異なっていて、そのなかには、人物の見極めかたとして、八観六験(はちかん りくけん)という手法が記されている。

ここで詳細を書くスペースはないので、思い切って要約すれば、人物を見極めるには、その人が発する言葉ではなく、種々の状況に応じての行動を見よ、というのが骨子である。

ちなみに、司馬遷史記のなかで呂覧を「呂氏春秋」と記した。ついでにいえば、呂不韋は、実は始皇帝の実の父親だったのではないかという噂が、現代までまことしやかに伝えられてもいる。

それはさておき、古代より、人物を見抜くには、その人が話すことではなく、行動によるべきというのが、どうやら普遍的な知恵であり洞察といえそうだ。どんなに高まいな理想を口にしたところで、行動がそれに見合ったものでないというケースは、ままあるものである。

投資家であれば、経営者のいう耳ざわりの良い言葉を額面通りに受け止めて、実態を見誤ろうものなら、痛い目を見る。

たとえば自社株買いが典型例である。会社の内情に通じている人々が、明らかに今の株価は自社の価値に対して、とても低いと判断したからこそ、自社株を買い戻すという意思決定をしたと推測できる。今の株価は明らかに低すぎる!という言外の主張がそこにはある。

バフェット氏にいわせれば、自社株買いとは、賢明に行いさえすれば、何ら生産活動を経ることなく、株主価値を増大させる手法である。その判断が正しいかどうかは、確実とはいえないものの、会社をもっともよく知る人々の意思決定であり行為であることから、それは重く見てしかるべきといえよう。

逆に、経営者がその持株を減らすときにも注目したい。

有価証券報告書には、経営陣各人の保有する自社株数の情報が記載されている(【役員の状況】パート)。有報に記されるのはその時点の持株数のみなので、増減を見るには、その前の期の有報と比べてみる必要はあるが、会社をより深く知るための分析手法として前期比較はごく初歩的かつ基本的なものである。

また、経営者、監査役などの退任といった情報も大切にしたい。会計監査人の辞任(交代)にも注目したい。沈み始めた船からは、その内情をもっともよく知る人々から逃げ始めるものだからである。

目は口ほどにものを言う、ではないが、行為は口以上に経営者その他の人々の本音を映し出す。

※2021.09.06 楽しい投資ニュースレター(楽しい投資友の会)にて配信。ご興味がおありの方は、こちら↓からご登録ください(無料)。

www.1toushi.com

 

参考文献:呂氏春秋/町田三郎/講談社

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「賛同する人がほとんどいない、大切な真実」について

会計士業界(特に会計監査にたずさわる人々の業界)では、これからが繁忙期である。

いまだに3月決算の会社が主流を占めている状況なので、会計士の人たちにとってみれば、ゴールデンウィークなどというものはあってなきが如きものであり、馬車馬のように働く日々が彼らを(私含む)を待ち構えている。そんな生き方が正しいのかどうかはともかく、業界としてそういうものである。

一年前、武漢肺炎ウイルス・パンデミックが日本を覆ったことによって多くの、というかすべてのクライアントさんから、来社してくれるなと云われた。

かといって、監査の仕事は進めないわけにはいかない(証券市場は、パンデミックだから監査証明はいらないとはいわない)ので、リモートワーク漬けの日々であった。それはそれで、これまでになかった状況であり、ある意味貴重な経験となったわけだが、一年後の今もそれなりにリモートワークが基本の日々が続いているわけで、この邪悪なウイルスが人間社会に与えた影響は、これまでの私の人生のなかで見たことのないほどに大きい。

一年前、武漢肺炎ウイルスがまたたく間に(指数関数的にとはこのことかとばかりに)、世界全体を襲った結果、株式市場はパニックに陥った。あらゆる国で株価は暴落し、さながら人類は滅亡の淵に立たされているかのような様相を呈していた。

そのとき、私は自問した。果たして人類は、この邪悪なウイルスによって、壊滅的な打撃を受け、再起できないほどのダメージを負ってしまうのだろうかと。毎日そのことを考え続け、自分なりに得られた結論は「否」であった。

ヒトという種族は、この程度のウイルスに滅ぼされるようなやわな存在ではなく、しぶとく生き延び、それどころか今以上に繁栄する可能性の方が高いと見た。

当時、ニューヨーク証券取引所は一日に2度サーキットブレーカーを発動させるような状況で、底が見えないような暴落が連日続いていたわけだが、そんななか、いくばくかの株を買った。たいていの会社の株が言い値で買えるという、平時では想像もつかないような状況であった。

日本の株式市場も似たようなものであった。こちらもやはり言い値で買えた。

1toushi.hatenablog.jp

片っ端から買って行きたいような状況ではあったが、ろくに知りもしない会社の株に手を出すのは危険が伴うと自制をはたらかせ、長いこと投資先候補と考えていた4社に注力し、コツコツと拾うように買い増していった。

あれから一年経った今、依然として厳しい状況は続いているが、人類は滅びる気配を微塵も見せず、株式市場はどうやら落ち着きを取り戻し、日経平均は一時3万円を超える水準にまで回復した。

この「日経平均3万円」をどうとらえるかは議論のあるところであり、今の日経平均の内容は、かつて3万円(30年ぶりだそうだ)をつけていた頃とはまったくの別ものと考えてよいほどの、質的な変貌を遂げているわけだが、ここでは立ち入らない。

要するに言いたいのは、大多数の人々が誤りととらえているけれども実は正しいという事柄を掴んだ者が、市場では優位に立つということである。当たり前のことだが、実行に移すのはけっこうむつかしい。

著名な起業家ピーター・ティールが、その著書のなかで「賛同する人がほとんどいない、大切な真実とは何か?」というような問いかけをしていたが、投資家に限らず、起業家に限らず、お金になる洞察とはこういうものなのだろうなと思った。

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一次情報に当たらねばならぬこと

事実と自分との間に、誰かを介在させることが危険なのだ。

メディアの報道を信じることとは、一次情報との間にメディアを介在させて情報を得て、それを信じることであり、そのメディアが悪意を持ってか、あるいはその無能さゆえか、事実をねじ曲げて伝えるとき、読者・視聴者は有害な影響をこうむる。

可能な限り、ナマの、一次情報に近い情報に接するべきなのだ。

物事をかみ砕いて説明してくれる人はありがたい場合もあるが、すべての人が良心と、十分な能力とを持って、伝えてくれるかというと現実はそうではない。

そのことをわかりやすく示してくれたのが、2020年の米大統領選であった。開票速報データに直接当たってみたところ、明らかな票操作の痕跡が見て取れたので、この選挙は史上類を見ない規模の不正によってねじ曲げられたものであることを、私は知ることができた。

sumatome.com

しかしそのことを、日本のメディアはほぼ100%報じなかった。その疑惑を伝えることすらしなかった。

さらには、政権中枢にいる人々までも、誰ひとりとして、その事実を指摘することすらなかった。これが現代日本の姿である。くさっている。

いち民間人に過ぎない私が、こんな重要なことを知り得たということ自体が、時代の変化を感じさせてくれる。ひと昔前であれば、まずわからなかった。それが、今のような情報を扱える環境であるがゆえに、わかるようになった。世界は変わった。

これまで20年間、個人資産の大部分を投じて、株式への投資実験を続けてきたのだが、今ほど見通しの立たないときはなかった。2011年3月の震災直後を上回る、先の見えない状況にあるととらえている。

暴露ウイルスのこと

メディアとは全く信用ならないものだとわかった。いまさらではあるが。

テレビは元から嫌いでほとんど見ていなかったが、新聞はそれなりに信用度の高いものだと考えていた。それが全くの誤りであることが、昨年の末にわかった。

武漢肺炎ウイルスによるパンデミック騒動と、2020年の米大統領選は、多くの物事を白日の元に晒してくれた。さながら暴露ウイルスである。これまで巧妙に隠されていたことを明らかにしてくれた。

特に、メディア群の正体を、わかりやすく示してくれた。

彼らは、ジャーナリズムの大義なるものをごたいそう掲げて、偉そうに、報道機関でございと体裁を取りつくろってきたやからに過ぎなかった。日本のテレビはひとつ残らず、新聞も残念なことに、ほとんど全てがそうだった。大手新聞社などは、一切合切が信用ならないものだとわかった。

彼らの行為を見るに、大衆は無知で無能であり、その印象操作が己の仕事だとでもいうかのようだ。彼らは、民衆の認識を操作する意図を持って、己が影響力を行使していた。これ以上ないほどに醜い行為である。私はもう奴らのいうことを信じない。

このことを教えてくれた一点だけは、この邪悪なウイルスに感謝している。

米大統領選の結果を予測する

米大統領選の結果は日本株にも多大な影響を与えるに決まっている。僕は何の影響力も持っていないが、その結果は実験ファンドの投資パフォーマンスにも大きな影響を及ぼす(つまり僕自身の経済状態にも)。注目しないわけにはいかない。

CNNの調査では、バイデン候補が16ポイント リードしている。ウォールストリート ジャーナル、ニューヨーク タイムズ、フィナンシャル タイムズ、日経新聞、いずれを読んでもトランプ氏はどうしようもないほどの劣勢に立たされていることになっている。

ところで、2016年の米大統領選でトランプ勝利を的中させた世論調査会社、ラスムセン・レポート社の記事にこんなものがあった。

www.rasmussenreports.com

世論調査の数字の外、それでもバイデン候補は圧倒的勝利を収められるのか?といった趣旨の記事である。

ちなみに、当のラスムセンの調査でも支持率はバイデン氏が5ポイント、トランプ氏を上回っている。

しかし、支持者集会の規模、そこで見られる支持者の熱気、さらに候補者のエネルギッシュな様子とスタミナ、いずれもトランプ氏がバイデン氏を圧倒している(トランプ氏が武漢肺炎ウイルス感染で入院した病院の外には、バイデン氏の集会1ヶ月分の人数が集まったという)。

バイデン氏の物忘れや言い間違いが衝撃的であったことは有名な話だが、それに加えて、次の指摘は興味深いなと思った。

予備選で75%以上の支持を得た現職大統領が再選されなかった例はない。トランプは共和党の予備選で94%の支持を得た。この数字は史上4番目の高さであり、アイゼンハウアー、ニクソンクリントンオバマをも上回る。

アメリカの大統領選の年に、パンデミック、不況、市民暴動が同時に起きた例は3度ある。これらのいずれの年も現職の大統領が勝った。

2004年以降に関していえば、Googleで検索された数の多い候補者が常に勝利している。トランプの検索回数はバイデンの約3倍である。

1820年以降、現職大統領が再選を賭けた大統領選の年にパンデミックが起きた例は11ある。そのいずれの年も現職の大統領が勝った。

上記の指摘は、David Chapman氏(@davidchapman141)のツイートによる。

第1回討論会の様子も通して観たが、トランプ氏が2桁の差をつけられてバイデン候補の後塵を拝しているとはどう考えても不自然なのだ。

大手メディアは実はまったく信用ならないのではないか。そんな疑念は強まる一方である。

【結論として】

僕はトランプが勝つのではないかと見ている。ゆえにリスク オンの姿勢に変わりはない。