楽しい投資研究所のブログ

楽しい投資研究所 1toushi.com の公式Blogです。

どこで区切るか - もっとも重要な意思決定事項

投資期間をどのように設定するか。これが投資を考える上で決定的に重要である。

もちろん、どのように設定するかは各人の自由である。1年後に区切る人もいれば10年後に期限を設ける人もいる。期限を定めない永久投資という設定も可能であり場合によってはもっとも賢明な条件設定となる場合もある。

逆に1ヵ月間とか1週間、1日だけというような極めて短い投資期間を設ける人たちもいる。トレーダーと呼ばれる人々でありそもそもそれは投資と呼べるのかという話にもなるが。とにかく投資家個々人の自由である。

1年後に今の経済状況がどうなっているかは想像がつかない。予測が困難である。もしかしたら中国武漢コロナウイルスの惨状が沈静化されていて、経済活動も従前に近い形にまで回復しているかもしれないし、いっそう深刻化していて企業倒産が相次いで大変な状況になっている可能性もある。1年後を区切っている人にとってみればそれをどうとらえるかが問題であり、数週間、数ヶ月間という期間設定の人にとってみればおそらく現在の経済状況からの大幅な改善が見込めることはないのでいっそう状況が悪化している可能性の方が高いとも考えられる。そういう人にとってみれば今保有している株式の価格が上昇するよりも下落する可能性の方がはるかに高い、そう考えれば今もっとも合理的な意思決定は持ち株の売却処分ということになる。

10年後や20年後あるいはそれ以上の投資期間を定める投資家にとってみればどうだろう。今の中国ウイルスが20年後も猛威をふるい続けていて人類を苦しめ続けていると予測するのでなければ、今の状況とはまったく異なった世界となっている可能性の方が高い。賢明に対処できていたならば経済活動も正常な状況に戻っていることだって十分にあり得る話であるし、むしろその可能性の方が高い。歴史的に見てもそうである。ヒトは多くの困難に直面していながらそれを克服してきた。数日間で対処することはできなくとも数ヶ月間、数年間をかけて問題には上手に対処してきたのがヒトという種族である。

現在の状況を見るに、数日後や数週間後に結果を求める人にとっては、売りが合理的な判断であり10年後20年後の投資期限を定める投資家にとっては、もしかしたら今の株価は魅力的に映るかもしれない。そういう人にとってみれば、もしかしたら買いが合理的な意思決定になるかもしれない。両者の間で売買の成立する状況が生まれる。市場取引が成立するのは立ち位置の異なる投資家たち・市場参加者たちが同時に存在するからである。